色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

新川保育園園内研修

24日(木)、三鷹市新川保育園園内研修に講師の一人として出かけました。
メイン講師は、アートセラピストの小保川協子さん。私はサブ講師としてお手伝いに入りました。

まず午前9時半から年長さん(5歳児)のクラスで絵の実践活動です。タイトルは「筍の観察画」なのですが、まずは五感でしっかり感じてもらうことから始めます。

4人づつ座っている園児のテーブルに、土がついたままの大きな筍をドーンと置きます。

小保川講師の声かけにみんなキャーキャー言いながら、触ったり匂いを嗅いだり叩いてみたり
そして講師の「どこから出てきたのかな?、雨がふったらどうなる?、大きくなったら何になるだろう?」そんな問いかけに、園児たちも思い思いのことを言い合ってワイワイおしゃべり。

触ることしゃべること15分余り、いよいよ描画にはいります。
「さあ、まず自分の好きな色から塗ってみよう!」のスタートに園児も保育士の先生方も意外な様子です。
「筍なのに茶色でなくていいの?」「好きな色からでいいの?」
そうです、見えていないけれど筍の皮の中に隠れている中身を感じながらまず好きな色で塗っていきます。それからあとはもう子どもたちまかせ。

土や空が描かれたり、青竹や人、おうちや花など筍を主役にそれぞれの世界がどんどん広がっていきます。
金環日食の太陽を描きこむ子もいて、30分後には20人余りの園児それぞれの個性豊かな筍の絵ができました。



そして夜6時から8時は保育士の先生方への講義です。新川保育園だけでなく、他の保育園からも多数参加され36人もの現場の保育士の方が集まってくださいました。

苦手意識を持たずに楽しめる表現活動、というテーマで小保川講師の説明にそって「スイカ」の絵を描いてもらいました。
五感で感じ、様々な方法で制作していくうちに、上手下手という概念から離れて楽しんでもらうことが大切なのですが、先生たちも「おもしろいねえ」と言いながら様々な工夫をこらして制作してくれました。

本当にひとりひとりの個性が際立っています。


最後に全体を通しての感想では「筍の絵で好きな色から塗るという発想がおもしろかった」「子どもの個性や気持をそのまま受けとめたい」などの声が多くが聞かれ、私たちとしてもほっとしました。

なぜって、やっぱり「描画指導研修なのだから、上手に描く方法を教えてほしかった」と言われたらどうしようという気持ちもあったからです。

仕事の後で疲れもある中、熱心に取り組んでくださり、さらに先生方の「子どもに寄りそう」という姿勢や暖かさがつたわってきて私たちも胸が熱くなりました。

保育園の現場に入り、先生方ともお話するという貴重な体験の中で、たくさんの新しい発見がありました。

自分の思いを楽しく表現できれば、子どもたちの中に自信や自己肯定感がきっと育っていくはずです。あらためてそんな思いを強くした一日でした。  


  • Posted by turu at 10:22Comments(4)出かけました

    人生いろいろ、色彩もいろいろ

    20日(日)三鷹市市民協働センターにて、アートセラピーワークショップ「色で心のマッサージ」を開きました。
    今回は4名の方が参加してくださり、約2時間テーマにそって色を塗ってみたり、その色にまつわる気持をお互いに話してみたりしました。


    その中のひとつ「今の私をつくっている過去を旅して、新たな自分を発見しよう」というワーク。
    自分の人生の振り返りたい時期をえらび、水性クレヨンをつかって自由に表現してもらいました。




    人間は記憶するということを通して自分の人生を生きています。
    けれど、記憶というものを理路整然とした文章やデータで覚えているという人はいないでしょう。
    その時々の光景や目に入ってくる色彩、思わず心にわきあがってくる感情や体の震え、そういった感覚とともに覚えているのではないでしょうか。

    だからこそ色彩を使って表現してみることで、言葉にならない心模様というものを何度でも振り返ることができるし、それを乗り越えようとしたり、あらためて愛しんだりすることで、小さくとも新しく生きていく力にしていくことができるのだと思うのです。

    参加してくださったみなさん、それぞれの人生の深いお話を聞かせてくださって本当にありがとうございました。
    同じテーマで色を塗っても本当にひとりひとり違います。

    本当に、人生いろいろ色彩もいろいろですね。  


  • Posted by turu at 12:26Comments(0)アートセラピー

    「母へ」「ママへ」

    昨日は天気の良い「母の日」、街やスーパーの店先にも仮設のお花屋さんがよくみられました。
    先週のアトリエでも「ママへ」や「お母さんに」という声が多く聞こえてました。

    4歳、2歳のお子さんを連れてアトリエにきた30代のお母さんの作品です。
    「70代の母に、なにか子どもたちの写真を入れて」と厚紙や布で作った写真フレームです。
    「お花紙」でカーネーションの花もつくって。




    こちらは5年生女の子の作品。やはり「ママへ」。
    大判の中厚の模造紙から約80センチ四方の正方形をとり、大きな大きな鶴を折りました。
    鳥は大空にむかって飛び立っていきます。お母さんへの想いがその大きさと無限の空へというイメージに込められています。
    こちらも花を手作りして添えました。



    季節のテーマが自然に心に働きかけて、何か作ったり贈ったりしたくなる。
    贈る相手の人を想像しながら手が動いていくという時間もいいものですね。

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    5月20日(日)・5月25日(金)
    アートセラピーワークショップ開催。

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  • 暑い日は寒色系でクールダウン

    今週からまたアトリエスタートです。
    通常のアトリエは、隔週の火曜、水曜、木曜と毎週土曜日です。
    みなさん曜日を決めて参加したり、都合のよい日を自由に予約して参加したりといろいろです。

    昨日は蒸し暑い一日でした。
    幼稚園の園庭など、外で遊んでからアトリエにくる小さいこどもたちも、みんな汗と砂まみれ。

    暑い日には「水」のイメージの水色や青が気持いい。
    五才男の子の水彩でぐいぐい描いた作品。
    タイトルは「人には見えない透明恐竜」。なかなかユニークです。


    そのあと作ったぶんぶんゴマも同じ色あい。
    ちょっとはクールダウンできたでしょうか。




    この作品が寒色系で、私たちの副交感神経に作用し、心や体を静めてくれる作用があるとしたら、その正反対にあるのが暖色系のこんな配色でしょうか。


    先日富山の母が送ってくれた細工かまぼこ。
    実は私と息子が(もう大人なのですが)5月生まれということで、あれこれ送ってくれた中にはいっていた”おめでたい”「はれ」の配色です。かまぼこが鯛の形なんてそれだけでも嬉しい。

    白は浄化の意味があり、赤は私たちの体を流れる血やエネルギーを連想させます。
    赤は命の色。
    ここ一番というとき、新しいスタートのとき紅白の配色は私たちの気持を高めてくれます。


    かまぼこ食べて「よし、ガンバロー!」

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    5月20日(日)・5月25日(金)
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  • 暖かい色で元気いっぱい

    世間はゴールデンウィークです。
    今日と明日を休める人はなんと9連休も可能ということ。

    アトリエも今週はお休みです。
    なかなかブログを更新しない私に、アトリエのこどもたちにまで
    「ねえ、私の作品載せてくれたの?」とつっこみをいれられており、少々焦る毎日です。

    なかなかペースアップしませんが、子どもたちも見てくれているのだと分かり、
    こつこつやらねば、とあらためて思う5月スタートです。

    これからの季節に心も喜びそうな、色彩鮮やかな作品を紹介します。


    新しくアトリエに入ってくれた4歳男の子の作品です。この日はちょっと眠いのと
    まだ慣れないのとでご機嫌斜めだったたので、お母さんにも一緒に参加していただきました。
    最後のほうには機嫌もよくなり元気いっぱいのスタンプ画。
    ピンクの画用紙に鮮やかな朱、オレンジ、黄と明るい白をまぜて、四角いスポンジでトントンと
    置いていきます。
    ピンクとオレンジ系の暖色が、気持の高揚感と元気で嬉しい状態を表しています。



    4年生女の子。たんぽぽをハガキ大のキャンバスに描いた、初めてのアクリル画です。
    塗り重ねた質感と、鮮やかな色合いにたんぽぽの生命力が表現されています。
    もちろん描いてくれた本人も活動的でいろいろな欲求を感じているときなのでしょう
    そういえば、ゴールデンウィークには家族で出かける話もしてくれていました。楽しみですね。



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    5月20日(金)・5月25日(日)
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