色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

ワークショップ、粘土の可能性に感激

26日、28日の2日、今年5回目となるアートセラピーワークショップ「大事にしてきたモノ、コト、キモチ」を市民協働センターで開きました。

それぞれ4名あわせて8名の方が参加してくださいました。

「実りの秋」といいますが、私たちひとりひとりの人生の中にも実ってきたもの、大事にしてきたもの、また支えになってきたものがきっとあります。
それらに光をあてて秋の一日静かに自分と対話できれば・・・
そんな気持で今回のワークを準備しました。

いつものように、今日の気分を色に置き換えてもらったり、簡単なカラーヒストリーでご自分の人生を振り返る時間を過ごした後、紙粘土を使って、大事にしてきたことや大切におもっていることのイメージを自由に表現してもらいました。

約1時間、みなさん子どもの時以来という紙粘土に、色をつけて練りこんだりさまざまな形にしたり。

紙粘土は子どもたちが大好きな素材ですが、大人の私たちもその感触や、どんどん形が変わっていくプロセスに深い所にある感覚的な記憶や感情がより引きだされやすい感じがします。

とにかく普通の人はく日常あんまり紙粘土など触れることもないと思いますし、何より触っていて楽しい。




出来上がった作品はどれもその方の想いが詰まっていて、個性的でのびやか。
そしていろんな人生のお話をきかせてもらいながら、作品からうける感じやイメージを互いにシェアする温かい時間をすごすしました。

ご自分の原初的な風景や子ども時代の体験をテーマにされたり、自分のウイークポイント(弱いところ)をあえて形にしたり、自己の直観とでもいうようなものを表現したり、過去というよりは今現在のイメージが力強く現れたり。

そのどれもが私自身の感覚や経験のどこかで繋がっている感じがしましたし、「紙粘土をこんなふうに使えるんだ!」という皆さんの表現の多様性にもびっくり。
なかなかおもしろい素材であることを再発見しました。

表現することを楽しみ、出来た作品を見ながら言葉にしたり語り合ったりして味わってみる。
色彩や手の感覚をとおしてココロを動すそんなちょっとした時間が、自己を確認したり、ねぎらったり、励ましたりさまざまなことを気づかせてくれるのだと思います。

参加してくださり、作品をご提供くださったみなさん本当にありがとうございました。
















  


  • Posted by turu at 13:16Comments(0)アートセラピー

    お母さんに見せたい絵

    アトリエは基本的に自由なので、こちらから特にテーマを決めたり指図したりはせず、
    相談しながらそれぞれの子どもたちの好きな画材で好きなことをしてもらっています。

    そのために技術的なことやアイデア面などで少々お手伝いするのが私の役目だと思っています。

    だから子どもによってはアニメのキャラクターばかり描いていたり、
    紙粘土ばかり、折り紙ばかり、まあよく飽きないなと思うくらい続いたりします。


    ですから普段どんなにいろんなもの(ゴミといわれることもあるのですが・・・)が出来てもとにかくOK!基本的には評価をせず成長の足跡としてそのまま受けとめることを大事にしてきました。(作品は子どもたちの分身ですから)

    そして、そういうアトリエであることを理解してくださる親御さんたちがいるからこそ、さまざまな作品が生まれてくるのだと思っています。

    けれども、あまりにも工作ばかり続いたりすると、時々おうちの方から「たまには絵も描いてきなさい」と言われてきたりするわけで・・・。
    どんなに自由なアトリエだといっても、親御さんの気持としては絵も経験してほしいなあと思うのは当然です。

    そんな時は余程のことがないかぎり、できるだけ絵を描くことをすすめ、
    負担にならないよういろいろヒントをだすようにしています。

    子どもは誰でもお母さんが好きでお母さんに喜んでもらいたい。

    子どもたちのお母さんへの気の使いようというか、それは大人が考えているよりずっとずっと切実です。
    私もこのアトリエを始めてからあらためて実感していますし、自分の子育てを振り返って「どうだったかなあ」なんて苦しくなることもしばしば。


    だから必ずしも自分のやりたいことでなくても、無意識の「親に喜んでほしいという気持ち」が素直な制作意欲やきっかけになることもあるのですね。



    そんな感じでお母さんに「描いてね」といわれて描いた「お母さんに見せたいねー」という絵を2点紹介します。

    5年生男子。「青い瓶とコーヒーカップ」キャンバスにアクリル絵の具で描きました。バックはペインティングナイフをつかって絵具をのせ油絵風に。
    高学年にもなると周りを意識し自分を出すことを抑えるようになる時期でもあります。
    だからこういった対象を描くというのも、かえって冷静に取り組めていいのかなあと私も発見させられました。


    4年生女子。秋の澄んだ空気で近所から富士山がよく見えた、という話しをしてくれてテーマが決まりました。
    写真を見ながら描いた「湖に映る富士山」。絵具もちょっと発色のいい少し値段のいいものを使ってもらいました。

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    アートセラピーワークショップ開催
    「大事にしてきたモノ、コト、キモチ」

    日時:10月26日(金)午後1時半~
        10月28日(日)午後1時半~    (二日とも同じ内容です)

    場所:三鷹市市民協働センター

    参加費:2000円(お茶と小さなお菓子付き)

    問合せ、申し込み:アトリエコスモス 片倉洋子
      e-mail color-y@s7.dion.ne.jp     tel/fax 0422-34-3448


      


  • Posted by turu at 12:29Comments(0)

    新聞紙は万能素材

    アトリエでときどき登場するのが新聞紙工作。

    意外と加工しやすくなんにでもなってくれる万能素材です。

    適度なやわらかさと油分で、簡単に破くことができ丸めても元にもどる力が弱いので形を維持でき
    粘土のように次々足してくっつけたり、セロテープでぐるぐる巻きに固定したり、
    あまり細かいことを考えなくてよい分、気分にまかせてどんどんつくれる楽しさがあります。

    お年寄りにも優しいので、丸めて和紙などはって野菜をつくったりもできるし、指先を使うので
    脳の活性化を図りながらおしゃべりもはずむし、ほんと気軽で優しい素材です。

    これは5歳男の子の作品。オオトカゲができました。



    こちらは途中ですが、5年生女子。大きなカメを作りたい。


    3年生女子。小鳥ができました。


    やっぱり丸めて手のなかで作っていくので何かをイメージして組み立てるというのとは違い、
    自然に動物や生き物になっていくのですね。 

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    アートセラピーワークショップ開催
    「大事にしてきたモノ、コト、キモチ」

    お気軽にご参加ください。

    日時:10月26日(金)午後1時半~
        10月28日(日)午後1時半~    (二日とも同じ内容です)

    場所:三鷹市市民協働センター

    参加費:2000円(お茶と小さなお菓子付き)

    問合せ、申し込み:アトリエコスモス 片倉洋子
      e-mail color-y@s7.dion.ne.jp     tel/fax 0422-34-3448  


  • 芸術の秋、ふたりの女性の個展にいきました

    芸術の秋ですね。
    ふたりの方の個展に出かけました。

    銀座3丁目のコバヤシ画廊で開催中の「真木智子展」。油絵の作品です。

    真木さんは私と同世代、そして桜町病院ホスピス(小金井)でのボランティア仲間のひとりです。


    溢れるような色彩、流動するモチーフ。様々な命の躍動と広がりゆく世界を感じます。
    エネルギッシュなのに色彩は瑠璃色や草色といった和名を思い浮かべるような、
    日本の色を感じさせる独特の雰囲気があります。

    この絵はしかし大きい。縦約2メートル、横は約4、5メートル。すごいエネルギーです。

    彼女も家族優先で、画筆を取らない時期もずいぶんあったとか。コバヤシ画廊での個展もなんと22年ぶりだそうです。
    再起を果たした女優みたいな女性的な華やぎも感じるなあ。(ご本人もそんな雰囲気の人だけど)




    もう一つは私の日本画の師でもある阿部アヤ先生の個展、「阿部アヤ展」
    銀座1丁目の「ギャラリーなつか」で開催中です。




    阿部先生は暮らしや子育てに軸足をおきながらもずっと作家として活動してこられました。
    アーチストというのはそこが違うのですね。何があっても絵を描き、表現しつづける。

    私は縁あって6年まえにお会いし、油絵を再開したいと思っていたのですが日本画に強く引かれて
    もう迷わずというか、これだ!と思って教えていただくようになりました。



    阿部先生はここ数年は「グロリオーサ」という花をテーマに作品を発表されています。

    つぼみから開花、そして花びらを付けたまま枯れていく花は不思議で、さまざまな表情を見せ、
    自然と絵の中に人生のさまざまな時期を重ねて見てしまいます。

    ゆっくりとした生命の流れがいろんなフォルムや色調で描かれています。

    私は、基本的な日本画の技法を押さえながらも現代的なテーマや試みをつねに取り入れている先生の画風にとても魅力を感じていて、この日も絵を観ながらいろんなお話をきかせていただきました。
    (あんまり話に夢中になっていて画廊の写真を撮るのを忘れてしまいました。それで写真は先生の制作ブログから拝借しました。先生すみません。ブログってこういうこともできるのですね。)

    秋の一日、色彩に包まれてゆっくりした時間を味わいました。

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    アートセラピーワークショップ
    「大事にしてきたモノ、コト、キモチ」
    お気軽にご参加ください。

    日時:10月26日(金)午後1時半~
        10月28日(日)午後1時半~    (二日とも同じ内容です)

    場所:三鷹市市民協働センター

    参加費:2000円(お茶と小さなお菓子付き)

    問合せ、申し込み:アトリエコスモス 片倉洋子
      e-mail color-y@s7.dion.ne.jp     tel/fax 0422-34-3448   


  • Posted by turu at 16:16Comments(0)出かけました

    回復する心と体、子どもたちの作品から

    子どもたちが思いのままに描いたり作ったりする作品には、
    心や体の状態が実によく現れています。

    5歳女の子の作品です。

    9月初旬に1週間入院するということがあり、ちいさい体で大変な経験をしました。
    それから一ヶ月。ようやく元気になり、夏休み以来久しぶりにアトリエに来てくれました。

    来るなりすぐに、待ちかねていたかのようにどんどん作り始めました。

    右下にはロケット、赤いぎざぎざは噴射のようす。右上は色画用紙のクワガタ。
    左下はお家と家族。
    その上は紙カップをさかさまにした山。
    どんどん、どんどんセロテープで貼りつけていきます。

    暖色系のオレンジや黄色、赤は身体的なエネルギーを感じさせます。
    たくさん描きこまれた人や家からは、世話をしてくれたお母さんや祖母への嬉しい気持ちや、家族でいっしょにすごせることの喜びが伝わってきます。

    ロケットやクワガタというのも活動的で力強いモチーフです。山も希望や拠り所(この場合はご両親かな)の象徴でしょう。

    辛い体験を乗り越えて元気になった嬉しさがあふれている作品。
    運動会の練習で毎日たいへんそうだけど、十分乗り越えていけそうです。


    もう一つは8歳(3年生)の女の子の作品です。
    やはり先月9月に体調を崩して1週間も学校を休み、やっと明日から登校するという日に来て作った作品です。

    この日は同じ形の木片を規則正しく組み合わせて、静かな感じの作品をつくりました。
    いつもはカラフルで凝ったデザインの家や街を作るのが好きなので、めずらしいなと思って見ていました。

    本人に「これは何を作ったの?」と聞いても「うーーーん、わかんない」


    明日から登校するとはいえ、体はまだまだ回復途上で元気いっぱいとはいかないのでしょう。
    そんな時は強い色や形より、静かな雰囲気のほうがここち良いですよね。

    シンプルで寡黙な、建物の基礎や城壁のようにも見える作品からは、
    静かに呼吸を整えて、明日からの日常に備えようという気持が現れているように思いました。

    何気なく作った作品も、子どもたちの心や体と密接に結びついていることが本当によくわかります。
    子どもたちの自然な姿を伝えてくれます。


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    アートセラピーワークショップ開催
    「大事にしてきたモノ、コト、キモチ」

    日時:10月26日(金)午後1時半~
        10月28日(日)午後1時半~    (二日とも同じ内容です)

    場所:三鷹市市民協働センター

    参加費:2000円(お茶と小さなお菓子付き)

    問合せ、申し込み:アトリエコスモス 片倉洋子
      e-mail color-y@s7.dion.ne.jp     tel/fax 0422-34-3448