色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

三鷹天命反転住宅見学会

三鷹天命反転住宅の見学会に行ってきました。

美術家・建築家の荒川修作とパートナーのマドリン・ギンズによる作品。大沢交差点のところにあるあの世にも不思議なカラフルな建築物です。



2005年に建てられた当初は分譲住宅、しかも相当な高額だったのであまり興味を持てなかったのですが、その後さまざまなイベントや見学会などが行われるようになりぜひ一度行ってみたいと思っていました。

現在は9戸のうち5戸は実際の住居として使われ、2戸は運営会社のオフィス、そして残り2戸は体験型施設として宿泊やイベントに貸し出され、多くの人に利用されているそうです。

とにかく色彩の鮮やかをはじめ「人は自分をとりまく環境によって体が呼応しさまざまな可能性が引き出される」というコンセプトのように、自分の身体や五感の力を楽しく刺激的に感じることができる空間です。


大人と子どもの「つちふまず」の大きさと言うデコボコの山が並ぶざらざらの床。
しかもすごい傾斜がついています。
スタッフの人に促されて裸足になって歩いてみたらすごく気持いい。





黄色い球体の部屋なんてここでしか体験できない空間です。なかで話すと意外な方向から音が反射して聞こえてきます。

どこに立っても6色以上の色が目に入るように設計された室内は、最初こそなんだか派手で落ち着かないなあと思うものの、しだいに目の方が心地よさを求めてなじんでくるというから不思議。

実際1時間半の見学会のなかで、「何これ!おもしろい。でも住めない」と思っていたのに、いつのまにか、どこに何を置いたらいいかしらとか、吊るすとしたらこんな棚、とか窓からの眺めがいいだろうなあ、とか『住民』としての気持に変化していたのは発見!。 たしかに体が空間に”慣れ”て変化していくのが解りました。




さまざまな仕掛けで身体を刺激されてすっかり魅せられてしまいました。

高齢者の方たちの見学会でも「昔を思い出す」とか「しっかり歩けて面白い」とか意外なことにとても好評なのだそうです。

便利な生活に慣れてしまった私たちが、色彩と空間(球、平面、傾斜、でこぼこ)とのかかわりから、あらためて命を生きることを考えさせられる不思議な空間。荒川修作とマドリン・ギンズの建築作品。

今度はぜひアトリエのこどもたちと一緒に行ってみたいと思います。


  


  • Posted by turu at 10:33Comments(2)出かけました

    折り紙は知的数学的作業

    今年度からアトリエに参加してくれた5年生の男子くんの折り紙作品です。
    さすが5年生、同じパーツをたくさん組み合わせた多面体作品です。






    折り紙は不思議な魅力があります。
    だってただの四角い紙が「折る」というプロセスを経てさまざまな形に変化するのですから。
    平面から立体へ。四角い紙が植物や生き物に。

    自由なアトリエのなかで唯一誰が作っても同じプロセスをたどって同じかたちになるのもおもしろい。

    どこをどう折りどんな形にしていくか考えていくのはとても知的な数学的な作業です。

    色彩が右脳を使う感覚的なものだとすれば、折り紙はきわめて知的で左脳的。

    ときどき「家でもアトリエでも折り紙ばかりして他のことをしない」と心配されるお母さんがいますが大丈夫。
    そういう時はこの知的な作業が必要で存分に楽しんでいるだけなので、かならず他の作品作りに移っていきますし、また必要ならばもどってくるし、十分に時間をかけてほしいと思っています。

    折り紙が高齢者の方の健康にもいいといわれているのは、手指を使い身近な植物や動物をイメージすることと、立体にすると言う作業のなかで右脳と左脳をバランスよく使うからではないでしょうか。

    私も折り紙は子どものころから好きでした。
    不思議だなあという好奇心で折っていたような気がします。

    ということで、夫の治療院の玄関にかざる「兜」を折ってみました。


      


  • アートセラピーワークショップ開きました

    21日と22日、三鷹市民協働センターでアートセラピーワークショップ「色を楽しみ私の可能性を発見する」を開きました。

    2月の気温に逆戻りという寒い中、あわせて3名の方が参加してくださり、人数は少なかったのですがそれだけに深いお話をたくさん聞くことができました。

    最初にウォーミングアップで「今日の気分」をハートで描きます。
    それから自分の「今」を支えている「これまでの私」のイメージを9枚のカードに描き、それらを並べて一枚の絵のようにしてみます。

    10代女子高校生



    40代女性



    70代女性


    絵を見ながらそれぞれの方の人生のさまざまなお話を聞いたあと、「ではこれからの希望、可能性は」という問いに心に浮かぶイメージを自由に描いていただきました。




    まだ10代の女子高生。
    『人の役にたちたい、人の役にたてる仕事がしたい』
    そのためにどんな勉強をしたらいいのか進路はまだこれからだけれど、と語ってくれました。
    優しいい色合いに若い感受性と温かさを感じます。
    これから可能性いっぱいです。




    40代女性
    『光輝くなかで海に沈む夕陽』
    「こんなふうに、光に輝きながらすべてをやり終えてすーうぅっと消えるように死んでいきたい」という、この絵が「死」のイメージであることに正直驚きました。
    けれどこの方のたくさんのお話を聞いていると常に「生と死」が鮮明にうかびあがってくるような感覚がありました。
    幼少期からのさまざまな困難な体験は、悩んだり考えたりする間もなくその瞬間瞬間に一気に凝縮され、人生そのものを積み上げてきたかのような強い印象を受けました。
    どんな言葉もあてはまらないような人生。
    ご本人の言葉を借りれば「全力で生きてきた」だけ。そしてたぶんこれからも全力で生きていく。
    だからこその光と海と夕陽のイメージ。
    ご自身はこの春から社会福祉を学ぶために大学に入り直したとのこと。人生の新たな一歩が始まろうとしています。この方は先の高校生のお母さん。とても仲のいいふたりでした。




    70代女性
    『楽しくやりたいことをやり最後は宇宙と一つになる』
    抽象表現を中心に精力的にさまざまな活動をされてきた現代アートのアーティストの方です。
    人生を俯瞰したかのような表現。静かな魂を感じさせる息づかいに満ちています。

    アートセラピーでは色を通して自分と向き合うことで、自分を信頼する力をあらためて感じることができます。

    ご参加くださった皆様ありがとうございました。
    次回は6月に予定しています。

    どうぞまたお気軽にご参加ください。  


  • Posted by turu at 09:35Comments(0)アートセラピー

    アトリエ新年度スタートです!

    アトリエも新年度がスタートしました。
    春休みでちょっと間があき学年も上がって何かと変化もあったので、子どもたちもそれぞれ個性に応じたスタートです。

    あれもこれも手を出す子。
    いつまでも絵や工作の本をながめている子。
    以前とは違ってビックリするくらい「やる気モード」を取り戻している子。
    おもしろいですみんな。

    中にはなぜか全部反対のことを言ったりやったりして手こずらせる子もいたりします。

    たとえばある6才の女の子は
    私が「こっちの細い筆がいいね」と言うと『やだ、太いの使う』
    「それまだ乾いてないよ」には『もう乾いたし』
    「きれいなピンクだね」『別にきれいじゃないし』というぐあい。
    さらに
    わざと絵具を大量にだす、道具を投げる、自分の作品を壊す、破る、と余計なことばかりにエネルギー全開。

    別に私のことが嫌いでも反抗しているというわけではないと思うのです。
    たぶん「注目されたい」という何か強い自己主張や甘えの欲求なのでは。
    それもできるだけ「すぐに注目されたい」。さらに長ーーく注目されたい

    こういう時、以前の私ならその子に掛かりきりになってしまい、カリカリしてひたすら疲れたりしていました。
    でも今は多少違います。

    彼女の「注目されたい」に対して私は「注目しない」。
    叱ったり怒ったりもせず、かといって無視もせず、あいずちだけはちゃんと返します。
    ふ~ん、そっか、なるほど、ハイハイ。

    そうすると熱のはいっていたパフォーマンスも次第にトーンダウンしてきます。
    「何を言ってもやっても注目してくれないのだ」ということになり、別のことをちゃんと考えてくれます。

    そのうち「先生もいっしょにやってよ」とか「ここだけ手伝って」とか極めて具体的かつ平和モードに。

    もちろん私も「いいよーー!」と即答します。

    いくら自由だといっても、アトリエは絵画工作の自己表現のスペースです。
    だからそのためなら喜んで「すぐに注目」します。ずーーっと注目し続けいくらでも協力を惜しみません!

    そんな感じで新年度もよろしく!です。


    新2年生女の子「木のチップで作った亀」右が頭、左がしっぽです。




    こちらは新1年生女の子「ケーキ」直径は5センチくらい、すごく細かい作業です。




    5年生女子「ジャンプするスヌーピー」ふわっと抜けるような軽やかさがいい。



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    アートセラピーワークショップ
    「色を楽しみ、私の可能性を発見する」

    4月21日(日)・10:30~
            ・13:30~
    4月22日(月)・10:30~
    会場:三鷹市市民協働センター
    参加費:2000円(お茶と小さなお菓子つき)
    問合せ・申し込み アトリエ・コスモス 片倉洋子
    0422-34-3448
    color-y@s7.dion.ne.jp
      


  • 4月のアートセラピーワークショップのお知らせ

    4月、今年は桜の開花も早く急ぎ足で春を迎えています。
    新年度に切り替わるこの時期、なんとなく慌ただしい気持になる方も多いのではないでしょうか。

    さて今月21日(日)と22日(月)アートセラピーワークショップ「色を楽しみ、私の可能性を発見する」
    三鷹市市民協働センターにて開きます。

    自分の選んだ色や思い浮かぶモチーフを身近な画材をつかって表現し、
    「色彩」というをとおして自分の心と対話してみましょう。

    頑張りすぎず、過去を手放し「今」を生きる。そしてちょっと未来のことも考えてみたい。

    どんな小さなことでも自分の可能性を発見することは、自分の気持で人生の扉を開けていくことにつながります。

    時間のある方、ご興味のある方はぜひお気軽にご参加ください。
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    アートセラピーワークショップ
    「色を楽しみ、私の可能性を発見する」
    4月21日(日)・10:30~  ・13:30~
    4月22日(月)・10:30~


    三鷹市市民協働センター
    参加費:2000円(お茶と小さなお菓子付き)

    問合せ・申し込み  アトリエ・コスモス 片倉洋子  
          color-y@s7.dion.ne.jp 0422-34-3448 
      


  • Posted by turu at 12:06Comments(0)お知らせ