色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

仙台の友人Sさん

子どもたちはみんな先週から長い夏休みにはいりました。!

アトリエではまだ「夏休みの宿題制作」との格闘は始まっていないものの、
「センセー、5年生らしくて格好よくてすぐ出来る工作なあい?」という質問に絶句したり、
6年生の女の子の大事な「下書き」を私がどこかに失くしてしまったり、・・・・face07
暑いし、ぼーっとしてしまうし波乱の始まりです。

そんな中この土曜日、仙台の友人Sさんが訪ねてきてくれました。

彼女は仙台を中心に、被災した子どもたちや仮設住宅の高齢者の方へのアートセラピーの活動を続けてきた人です。
私も昨年、仙台の保育園でのアートセラピーに参加させてもらい、いろいろとお世話になりました。

Sさんは自身も被災者でありながら現地で実績を積み、新たな「アートセラピー」の仕事を依頼されこれから取り組んでいこうとしていました。

その仕事はこれまでのような子どもやお年寄り対象ではなく、まさに大きな被害のあった石巻の被災地の大人の方たちやその支援員の人たちへのアートセラピーです。


久しぶりに会った彼女と私は限られた時間を惜しむようにいろんな話をしました。

私がその後、本などで知り得た知識としての「現地」と、彼女がいまなお向き合う、ずっと続いている「現地」との間には大きな「隔たり」があります。
彼女の言葉の中からわたしは、自分たちの住む東京と被災地との間には、あらゆる場所にさまざまな言葉にならない「隔たり」が横たわっているのだと感じました。


新しい仕事に取り組もうとしている彼女。
いろいろな不安はあると思います。

でも私はSさんだからこそできるし、ぜひ取り組んでほしいなと思います。
ありきたりかもしれないけど、他のひとにはできない。
やっぱりそう思います。

自ら被災者であり、活動を続けてきた彼女だからこそ依頼があったのだし、彼女にしかできないこがあると思うのです。
もし彼女が言うように、アートセラピーの過程で絵を描くことや色を塗ることを通して、人々が言葉にすることをいつのまにか我慢し控えてきた思いが引きだされてしまうことがあっても、
彼女だからこそ、それを受けとめ寄りそうことができると思うのです。

             6歳女の子の作品。暑い夏にはこういうの作りたくなるね!


Sさん、午後は2時間ほど私のアトリエにも参加してくれました。
さすが、保育園で活動していただけありごく自然に子どもたちに溶け込んでくれました。

4歳のNちゃんが、じーーーっと彼女の顔をみつめて固まっちゃったのはおかしかった。
めずらしいお客さんだし、彫りの深いどこかエキゾチックな面立ちのSさんにくぎ付けになったのね。

ま、Nちゃんも私も、どちらかというと平たーい顔なので、Sさんに見とれちゃったんでしょうね。

被災地の活動、アートセラピーのこと、子どもたちのこと・・・。
いろいろな話をたくさんしました。
彼女だからこそできることをどうか自由に思う存分実践してほしいと思います。
そして、立場は違うけれど、同じ思いでアートセラピーの活動をするものとして心から応援したいと思います。  


  • Posted by turu at 15:51Comments(2)

    ロンドン良かったです。

    ロンドンから帰ってきました。

    15日帰国、16日は時差による疲れでぐったり、17日ようやく掃除や洗濯その他片づけものにとりかかり、午後子どもたちの来るアトリエを開き、なんと今日は18日です。

    ロンドン、メニエールギャラリーでの5人の日本人女性アーティストによる展覧会―「彩・宴」(さいえん)―も無事終了。






    今回は、5人のアーティストのひとり阿部アヤ先生に同行させていただき、ロンドンについていっただけの私ですが得るものは本当に大きかったと思います。

    ギャラリーでの展示作業、さまざまなお客様との対話(そばで聞いてるだけだけど)、この企画の主体である荻窪の「ギャラリーれがろ」の国本さん御夫妻やアーティストのみなさんとの交流、ロンドンでの美術館めぐり、そして観光。
    夜10時ころまで明るい夏のロンドンの、一度も雨に降られることのない充実した7日間でした。




    行くまでは不安でしかたなかったけれど、すべてが私にとっては未知の世界で魅力的でした。

    展覧会の会場のメニエールギャラリーも1870に建てられたという元チョコレート工場だった古い建物です。
    100年たっても変わらない街並みに支えられたこの国の人のアイデンティティーって、どんな感覚なのでしょう。
    日本人の私にはなかなか想像がつきません。

    そして見渡せば実にさまざまな人種のひとびとが歩いています。さまざまな国の言葉やいろんな訛りの英語が聞こえてきます。
    多くの移民を受け入れてきたイギリス・ロンドンならではの光景です。

    海外旅行には縁のなかった私ですが、こういう機会を得てあらためて「外には出てみるものだ」と思いました。

    一時でも自分の日常のすべてを忘れられる解放感と、異文化の中で自分自身や自国(日本)のありようを見つめる機会を得たことは、これからの自分の気持ちや表現にきっと影響をあたえるだろうと思います。

    いろんな事を感じ、いろんな驚きがあったことをこれから少しづつ消化していこうと思います。  


  • Posted by turu at 01:15Comments(3)出かけました

    美術館でワークショップ、無事終わりました

    今日6日、三鷹市市民ギャラリーで開催した 美術館でワークショップ「色をとおして作品と対話しよう」、無事終了しました。

    8組の親子と大人の方2名のお申し込みがあり、途中から参加の方も含めて約20名くらいの皆さんが、それぞれに立体作品を作りました。

    まず会場に展示してある作品からひとつ選んで、その絵の色や形から自分なりに感じることを自由に表現してもらいました。

    作品を選び、じゃあどんなふうに何を作ろうかというところまでは少したいへんです。
    でも作りはじめたらどんどん楽しい雰囲気になり皆さんの熱気であふれました。




    明るい花の絵をえらんでみんな蝶になりました。右端は絵の作者の方。



    少し高学年になると無邪気さからは離れて、こんな作品を選んでくれる女の子もいます。




    モノクロームの作品とひとり黙々と対峙する姿も。




    「これって非日常ですよね!楽しい!」と言ってくれた女性の方。


    他にもそれぞれ個性的な作品がたくさんできました。

    とにかく「おもしろかった」「楽しかった」の声がきけたのは何より嬉しいですし、主催者としても良かったとほっとしています。

    今日は本当に一歩も外に出たくないような蒸し暑い一日でした。
    参加してくださった皆さんありがとうございました。



      


  • ロンドンに行ってきます

    私は7年ほど前から日本画を勉強しています。
    これは先月描き上げた「アジサイ」です。(F4号)



    なかなか描く時間がなくて、まだ10点くらいしか作品はありませんが、日本画の奥の深さに魅力を感じています。

    私がご指導いただいている阿部アヤ先生は、日本画の魅力を海外にも発信していきたいとさまざまな活動をされています。
    そしてこの7月にも、ロンドンのメニエールギャラリーで開かれるグループ展「彩宴」(SAI-EN)に出品されます。

    今回は私にも声をかけてくださり、なんとお手伝いを兼ねて同行させていただくことになりました。

    ふだん田舎に帰るくらいしか移動しないのに、明日から初めてのロンドンです。(遠いです)
    英語もできないのにお手伝いといっても、展覧会の準備と片付けとちょっと荷物持ちと・・・くらいしかできそうにありません。

    でもこんな機会は思ってもみなかったこと。
    いろいろな芸術やロンドンの歴史的な街並みをたくさん見てきたいと思います。  


  • Posted by turu at 09:55Comments(5)日本画