色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

同じテーマでたくさん創る

アトリエは自由創作の場なので、同じものばかり作ったり、同じ絵ばかり描いたりする子どもたちがいます。
私はその子なりのテーマの始まりにワクワクしたりするのですが、親御さんからは「いつも同じで、前に進んでいない感じで・・・」という心配をもらされることもよくあります。

でもちょっと見方を変えれば、自分の好きなテーマをいくらでも心ゆくまで味わうことができるなんて、こんな幸せな時間はありません。

実際好きなテーマに取り組んでいる時の子どもたちは本当に楽しそうで、集中力もかなりなものです。

静かに制作していた子が急に『ああぁ~!』と声をあげることがよくあります。
びっくりして見ると、正座で細かい針仕事をしていて足がしびれたとか、
真剣に写し絵をしていて肩や首が痛くなったとか、ぎりぎり我慢してトイレにかけこんだとか、
どれも「体のことは置いといて没頭していました」というようなことばかりです。

これだけ集中して自分が好きなことに取り組めば、変化がないように見えても、子どもたちのなかではさまざまな能力が育っていきます。

素材や色を変えたり工夫したりするだけでも、造形力や観察力が伸びていきますし、
なんども描くことで最初はぎこちなかった線も、一気に迷いのない線に変化したりします。
こちらが何かいわなくても表現や技術的なことをどんどん自分で発見し吸収してくれているのです。

そうやって自分で得た能力は自信につながるだけでなく、
同じテーマをくり返し表現することで、子どもたちそれぞれが抱えている問題をいつのまにか乗り越えていたりするから不思議です
表現することは自己再生につながるということを、いつもアトリエで見せてもらっている気がします。


それに比べて最近の私はといえば、この「没頭する」ということがほんとになくなっているなあと寂しい気分に・・・。
集中力も低下してるし、あれこれ気になることばかりだし・・・・。(言い訳)

「没頭できる」って、これから成長していく力をいっぱい持ってる子どもたちの特権ですね!。



3年生女子「ネコ大好き」 







4年生女子「黒子のバスケ 黄瀬涼太」





上に紹介したのはほんの一部、まだまだいっぱいあるのです!