色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

全員集合・作品紹介パート4(最終回)

みんなの作品紹介パート4(最終回)です。

「全員集合・作品紹介」と題してとりあえず、ここ2ヶ月くらいのみんなの作品を見てきました。アトリエでの作品はたくさん作られていて、やはり子どもたちのエネルギーは想像以上です。

ただ、ここでは紹介できなかったものもたくさんあることにあらためて気づきました。

たとえば、私と子どもたちとの間の約束で「先生にあげる」(親にはみせないで)というもの。

それから最終的な作品の前のいろんな試行錯誤の過程で生まれた「お試し」「やりかけ」「部品」のようなものや、これは「ゴミ」にしてもいいのかな?というもの。

形にならなかったさまざまな熱や感情が残像のように浮かんできます。

結局私も、写真データとなると、できあがりの作品ばかりを追いかけていて、そのプロセスへの視線がちょっと足りないようです。
もう少しその過程も大切にしていきたいと思いました。

今日のパート4で一応一区切り。今日紹介するのはは、かわいいもの、箱物、そしていろんな気分、です。


2年生女の子。
かわいい感じがよく出ています。


3年生女子。家族みんなのてるてるぼうず。



3年生の男の子がつくった大きな段ボールハウス。箱の表現は自分の居場所にもつながります。まわりと分けることで安心感を取り戻そうとしているのかもしれません。


6歳年長さんの男の子。アジサイがきれいだったから、と素直な作品。



4才君の気分は・・・。いろんな色を混ぜるのは大好き。結局黒くなってしまうのですが、それが楽しい。

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最後に最年長の私の作品です。日本画でこの春やっと完成しました。



これを子どもたちにも見せたのですが、その時の反応がおもしろかった。

「センセ、絵、うま!」「ほんとに描いたの?」「なんか描けなさそうな顔してね?」
        (・・・いやいや顔で描くわけじゃないから(ーー;) )
「こういうこと(絵とか工作)がすきなただのオバサンだとおもってた」
               (それは確かにそのとうりですが・・・)

とにかく表現することが生きる力につながっていけば、それが私自身も人生の中で助けられてきたことなので、限られた空間でも工夫しながら「今」を見つめながら、つづけていければいいなと思っています。

  


  • 全員集合・作品紹介パート3と夏休みワークショップのお知らせ

    全員集合・作品紹介パート3です。

    アトリエは自由創作が基本なので、こちらからは課題を与えたり、指示をしたりしないのだけど、高学年になるとリアルを追究する子どもたちがでてきます。


    右脳的で気持のままに作り、描くというより、心も成長し形や本質にこだわるという左脳的な働きが伸びて行く時期なのですね。


    中学一年生Tくん「自分の手」。乾燥すると硬く重さもある石の粉の粘土を使っています。じっと自分の左手を観察している様子は、自己としっかり向き合っているようでもありました。


    この作品を見て4年生のI君が自分も硬い粘土を試してみたいと言うので、何をつくるのかなと思っていたら「急降下する鷲」。

    どの角度に鷲を傾けるのか、あれこれためして一番いい角度が見つかりました。
    同じ子の作品「銃」。

    これも形がリアル。古いイラストの資料を参考にしていました。
    以前やはり「銃」の作品をアトリエで預かっていたら、僕も僕もと男子はみんな作りたがって、それだけでは済まず戦闘ごっこが始まってしまいました。
    今回は持ってかえってくれたので、アトリエ事情としては実はほっとしてます。

    6年生女の子のキャンバスにアクリル絵の具の作品。「青い海と白い帽子」。

    参考にした写真は麦わら帽子が青空に舞っているものでした。彼女の個性はそれを海にしたかったのと、帽子は白に赤という配色。赤と白という晴れがましくもはっきりとした配色に、6年生になった自分への期待や緊張が感じられます。


    次は実際に使ったり誰かにあげたりといった目的があって作られたもの。
    みんなは日々のいろんな関係や自分の気持ををアトリエに持ち込んでは実用的な作品もあれこれ作っています。

    6年生女子。かわいいシールでデコレーションした「アクセサリー掛け」。いいね。


    4年生女子。耳に掛ける「イヤーアクセサリー」。光る素材ばかりで写真が焦点あわずごめんなさい。


    3年生女子。「カレーライスのペン立て」と英会話の先生への「メッセージカード」。マーブリングになってる染め紙も自分でつくりました。



    2年生女子。「ミッキーさんののった貯金箱」。ミッキー細かいなあ。


    今回女の子の作品ばかりだけど、実際作って遊べる「ボードゲーム」などは男女問わずみんな好きでよく作られています。

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    こちらはホームページのお知らせコーナーにも載せましたが
    物語をテーマにした2日間の夏休み企画のお知らせです。

    7月30日(木)・31日(金)の二日間。いずれも午前9時半~お昼を食べてお散歩タイムをはさんで午後4時半まで。(小学生対象、定員10名  三鷹市芸術文化センター)
    二日間をとおしてひとりひとりのオリジナルの絵本をつくります。

    ●一日目午前は お話キャンプの依田和也先生が物語のいろいろな読み方について、午後はキャラクターワークスジャパンの西岡先生が物語の仕組みとつくりかたをお話してくださいます。

    ●二日目は私、アトリエコスモスの片倉が色と形のイメージワークと題して、色を自由に使えるようレクチャーとワークショップをします。

    そして午後は西岡先生といっしょに、みんなが考えた物語をひとりひとりオリジナルの絵本に仕上げていきます。
    夏休みの自由研究にもぴったりのワークショップです。
    ぜひご参加ください。



    *夏休み特別講座*
    読む・考える・つくる
    物語がテーマの2日間サマープログラム
    Story World(ストーリーワールド)
    日時:7月30日(木)・31日(金)9:30~16:30
    場所:三鷹市芸術文化センターB1 創作室にて
    対象:小学生10名(2日間参加できる方)
    参加料:1人2日間で3500円

    ※TEL/FAX:0422-77-9330 E-mail:info@charaworks.jp 
     申込書をご請求ください。
      


  • 全員集合・作品紹介パート2

    前回に引き続き、子どもたちの作品紹介です。

    前回、物語を感じるという観点で見ていたら、期せずして2年生が多かったのに気づきました。
    周りへの関心が芽生えたり、命の不思議を感じたり、そんな時期が2年生くらいなのかもしれません。

    今回はちょっとユニークな作品集合です。
    なぜか男の子ばかり。思ったらすぐ行動に移す。あんまり考えない。作るのがおもしろくてしょうがない。そんな感じでしょうか。

    2点とも2年生男子くんの作品。上は飛行機です。なぜか茶色の粘土でおおってしまいました。下は「初めてのボーリング」田舎にかえったときおじいちゃんたちと初めていったボーリングの印象が作品に。人物がかわいい。ほんとにおもしろかったんだね。


    次は4年生男子くん。


    上のは何でしょう?動物のような、乗物のような、顔みたいなところが獅子舞みたいに上下します。下の作品もすごく個性的。ブルーがきいていて空を飛ぶ何か生物みたい。
    これも何か名付けられないけどできちゃった、という楽しさ。


    もう一点、別の4年生男の子。これが1枚目(1ページ目)というのでその後の展開に期待が・・・。
    今はまだちょっとみんなをおもしろがらせてやろう、というようないたずら心も見えます。同時に、これまでまわりから守られてきただけの世界から、自分の知らない世界をどこかに感じてるのかもしれません。
    恐い絵は成長の一歩でもありますね。




      


  • 全員集合・作品紹介パート1

    いつも、ブログではそのときどきのテーマを持ってこどもたちの作品を紹介するようにしています。

    たとえば、色彩や素材、個性やプロセス、成長の足跡などです。
    けれど私がのんきにテーマを探している間にもどんどん作品はできてきます。

    こんなにみんなが作ってくれているのに、ブログでの紹介が滞ると、日々のみんなのエネルギーを自分がせき止めてでもいるかのような感覚になります。
    そのたまったエネルギーを放出しなければ前にすすめなくなりそうな気がしてきました。

    今回はこの間の子どもたち全員の作品を、何回かに分けてご紹介します。

    大人にはない発想の面白さ、表現の楽しさを感じていただければ嬉しいです。

    「パート1」は作品からいろんな物語を感じさせる絵や工作です。


    4年生男子「無人島の昼と夜」。
    スポンジで島をつくり、バックを作って昼夜を表現。船があるから誰かが上陸しようとしているのでしょうか。



    2年生男の子、上は「メダカのぎんちゃん」。いつもきまって2匹の黄色いメダカと1匹の黒いメダカが描かれます。黒のほうは今はいないメダカだそうです。どきっとするけど命というテーマに子どもなりのやさしさで寄りそっています。下は同じ子の「海に沈んでいく宝箱」。これも深い海の底を思わせる大人っぽいな雰囲気の色と金銀の宝箱からいろんなことを想像させられます。







    下は2年生女の子。「海の中」。魚がユニーク。何でもできる子ですが、大人が横についていないと不満げに。この時はいつもアトリエを手伝ってもらっている若いよしえさんにピッタリついてもらって、おしゃべりしながらの制作でした。



     
    icon37大きなのっぽの古時計・・・・、歌が聞こえてきそうな作品です。こちらも2年生男の子です。