色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

自立のしるし、立ち上がる動物

2学期が始まり3週間。
暦のうえでは5連休というシルバーウィーク、みんな楽しくすごしているでしょうか。

9月は夏の疲れがでるうえに、急な気温の変化に身体の調整がおいつかず、調子を崩しやすい月です
おまけに連日運動会などの練習でどこか痛めたり、疲れて眠かったりと子どもたちも疲労感満載です。

私ら、小学生ならもう5年も6年もやってるしー」という高学年の子どもたちは特に顕著で、アトリエに来ても、表現するよりリラックスリラックス。それも大事だけどもっと表現もしてほしいなあ。(悩ましいところです)


それに比べて、お母さんとのつながりが強く、社会的な学校習慣からはまだ遠い小さい子のほうがうまく季節を乗り越えている印象です。

そんなひとり、6歳のT君がこの夏めざましい成長をみせてくれました。

動物が好きでときどき作っていたのですが、この間連続で制作。
4本の足で立つ動物の表現は、子どもたちにとっての自立のサインであることが多いと言われています

実はTくんは、ずっとおかあさんから離れることができず、アトリエにきてから1年以上たつのにまだお母さんについてもらっていました。
(いちおうアトリエは4才(年中さん)くらいからお預かりしていますが、原則子どもひとりで参加するお約束です。)

ところが紙粘土の動物を1作目、2作目とつくった次の回、突然「今日からひとりでする」と言ったのです。
ずっとおかあさんとセットになったT君が当たり前になってたから、言われたこっちの方がびっくり!

かれこれ1年以上、T君いつまでおかあさんと一緒なのかなあ、、、と思っていたけど、こうして自立の時というのは突然やってくるのですね



自立のしるし、立ち上がる動物
1作目セグロジャッカル。この時はどうしても粘土がやわらかくて立たせられず、横にしたまま乾かしました。


自立のしるし、立ち上がる動物
2作目ハーテビースト。珍しいしかっこいい動物。図鑑を見ながらつくります。(ぞうさん、うさぎさんでない所が個性的)この時もなんとかたたせたいと苦労していましたが、粘土がやわらかい。そこであとから足にアルミワイヤーを入れました。


自立のしるし、立ち上がる動物
3作目、ウォーターバック初めてお母さんと離れてのアトリエ。最初につくったのは巨大な角。興味の大きさはモチーフの大きさに反映します。でもさすがに大きすぎて後から小さく作り直してました。頭部や足などできてから、お腹にトイレットペーパーの芯と、足はアルミワイヤーをいれるのをお手伝い。みごとに立ち、本人も大満足。


自立のしるし、立ち上がる動物
作品の出来栄えもさることながら、ひとりで来れてほめられたのもあってか、一日おいてまたまたアトリエにきてくれました。
そして作った4作目は大きな牙をもつセイウチ。足の表現がなかなかよくできてます。自信の表れか、どっしりしてます。
自立のしるし、立ち上がる動物
そして最新の5作目。珍しいハダカモグラネズミ。毛が無いネズミなので図鑑はちょっと気持ち悪いけれど、これはかわいい。
勇ましさからやさしい感じに。T君本来のやさしさがよく出ています。

動物の持つ足や角、そして牙。立ちあがり、走り、捕獲する生命の自立の象徴ですね。T君、動物を作りながら、心の中はお母さんと離れる自立の準備をしていたのかな。


子どもたちの制作のプロセスはそのまま心の動きを見せてくれます。
子どもたちは大好きなテーマを追求することをとおしてちゃんと自立の時をむかえていくのですね。





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    この記事へのコメント
    少年の自立する瞬間が、作品を通して感じられます。
    突然、その時を迎えるというのはちょっとビックリです。

    子供たちが、のびのびと参加出来て成長していける空間がいいですね。
    Posted by furu at 2015年09月23日 20:47
    コメントありがとうございます。

    そう、突然なのです。

    でも水面下ではひたひたと準備がすすんでいるわけで・・・・・。
    そのサインがいろいろ表れているのだと思うけれど、普段は見えにくいから何かが急に大きく展開したような感動がありますね。子どもっていいなと思う瞬間です。
    Posted by turuturu at 2015年09月25日 10:01
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      コメント(2)