色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

決まってんのになぜ聞くの?

今日は爽やかな秋の空が広がっています。運動会シーズンですね。
アトリエの子どもたちも、今年はシルバーウィークのせいで普段の半分くらいしか練習できないと心配してたけど、無事おわったかな?

スポーツ、そして芸術の秋です。

アトリエでもいろいろなものが制作されていますが、子どもたちから色や材料について相談されることがよくあります。

そんな時は例をあげたりしながら、ちょっとアドバイスしておくと、、最後は必ず本人の好きな色やモチーフなどを選んでくれます。
それは私にとっても、一緒になにか作る喜びがあってうれしいものです。

ところが、そういうやりとりとはちょっと違って、すでに答えは決まっているのになぜか聞いてくる低学年の女の子がいます。

「ねえ先生、赤い紙と>黄色い紙どっち貼ったらいい?」
で、
「う~ん、黄色の方が合うかなあ…」
というと、
「え?・・・、 やっぱりでしょ!」
(ああ、決まってたのね)
という具合。

「先生、大きい箱長い箱とどっち使ったらいい?」
「パズル作るなら大きい方かな」
「ありえない! 長い方でしょ!」
(ああ、そうなのね)

、どっちの色画用紙がいいと思う?」
「黒!」
「マジ? に決まってるし」

なんなの、じゃあ決まってんのになんでわざわざ聞くの!とおもわず言いたくなる会話です。


たしかに二つの物や色のあいだに「どっちがいいかな?」と迷う気持がないわけではありません。
だから聞いてみたくなるわけで。

しかも私の意見と本人の意見が違う方がだんぜん嬉しそうで、なぜか元気な感じ。

つまり迷っていながらも実はほぼ決まってて、私が反対の方を言うことでより自分の気持が高まるということなのですね。
なにか、その葛藤を楽しみながら気持を強化してるみたいな感じです。

私に聞いているのではなく、無意識の意識で自分自身にプラスの動機づけになるように聞いている感じ。

だから決定するには「私はこっち!」という気持の高まりが必要なのですから、たまたま意見が一致したときなど、むしろ不満そうです。

「ここ何色に塗ったらいい?薄紫どっちがいい?」
薄紫のほうがキレイかな」
(めずらしく意見が一致した)
「・・・・・・、そうだよ・・・・、あたりまえじゃんicon15」(ちょっと不満そうな様子)
(あ・・・(ーー;)せっかく同じだったのに喜んでほしいなあ))


疲れるからと「どうせ決まっているんでしょう。もう聞かないでよ」なんていいかげんに対応したら大変です。
ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、といつまでも質問攻めになります。

だから同じだろうが反対だろうが答えねばなりません。
答えはきまっているのに。
いえ、決めてあげるために。

せめて、同じ意見だった時は「わあ、センセイと同じだ。私も!」と共感してほしいなあ。そうしたら、私も嬉しいのに。

どう答えても喜んでもらえないのがわかってて、それでも大人だからちゃんと答えようと思うけど、けっこう大変なのです。

でも人生まだ7、8年。で、しっかりおしゃべりできて、こんな迅速なやりとりをする女の子、それもまたすごい才能です。

決まってんのになぜ聞くの?
2年生「2段ゆらゆら迷路」。おもしろい発想ですね。



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    この記事へのコメント
    答えは、自分の中で決まっているか…

    最初、自分に自信のない子が質問しているのかな?
    と思ったのですが違うんですね。

    自分自身にプラスの動機づけ、自分の気持ちを高揚させるために
    無意識に質問しているんですね。
    成長していく過程で、とても素敵な行動だと思います。

    子供たちの日々の成長、揺れ動く心、それが直に伝わってきます。
    毎回、楽しく読ませてもらっていますので、これからも頑張ってくださいね。
    Posted by furu at 2015年10月06日 23:49
    ありがとうございます。頑張りたいです、もう少し。
    コメント励みにさせていただきます。

    でもこういう心理、大人の人でもありますよね。「ねえ、どっちが似合う?」って聞いてみたりする・・・。
    気持ちの方向はなんとなく決まってたりするんだけど。。

    子どもたちの質問にはいろんな理由があってほんとにおもしろいです。
    Posted by turuturu at 2015年10月07日 14:40
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